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「インターネット文化人類学」のブログ

「インターネット文化人類学」2017年2月9日(木)発売

「彼はこうなることを予言していた」と言われたい。

 

こんにちは、インターネット文化人類学者のセブ山です。

 

今日は「セブ山は未来を予言していた」という話を自分で書きます。

 

まずは、こちらの記事をご確認ください。

netallica.yahoo.co.jp

 

2015年の夏に僕が描いた記事です。

 

簡単に説明すると、「ガリガリ君にマヨネーズをかけたらおいしいよ!」という中身が空っぽのウソ情報を多くの方に協力してもらい、人工的にバズらせたら、一体何が起こるのかを実験した記事です。

 

実験結果はリンク先でご確認いただくとして、結論としましては、人工的にバズらせたところで、中身が伴っていなかったら無意味だよと締め括っています。

 

そんなことはわかりきったことですが、2017年現在、そんな当たり前のことが見えていないサイトがインターネット上には数多く存在します。

 

わかりやすい例が、「WELQ(ウェルク)」の一件でしょう。

 

根拠のないガセ医療情報ばかり載せていたWebメディア「WELQ(ウェルク)」が激しく炎上したのは、まだ記憶に新しいはず。

 

このサイトは、「病名+治し方」で検索してやってくる人たち(本当にその病気で悩んでいる人たち)の検索流入を狙って運営されていました。

 

しかし、いちいちその病気と治し方を調べて書いていたら時間がかかるので、あちこちの別サイトから記事をパクってきたり、医療的根拠に基づかないテキトーな情報ばかりを載せていました。

 

まさに、中身が空っぽのウソ情報(根拠のない医学情報)を、たくさん並べていたというわけです。

 

身体や心の病気で悩んでいる人たちは後を絶ちません。しかし、検索でやってきた人たちが知りたい情報はそこにはありません。

 

でも、悪質サイトにとってはそんなことどうでもいいんです。欲しいのは、PV数だけだから。

 

その行為がどんどんエスカレートしていき、挙句の果てには禁断の一手である「死にたい」の検索流入にまで手を出してしまうわけですが、もちろん、そこには死にたいと検索するまで追いつめられた人を救う記事はなく、あるのはアフィリエイトだけ。

 

「数字が稼げるなら何でもいい」という考えの成れの果てですね。

 


そんな「中身が空っぽのウソ情報でもいいから、とにかく数字を稼ぎたい」ということについて、2015年の僕はこう書いています。

オウンドメディアが乱立する今の時代、この「バズ」というものは、どこのサイトも喉から手が出るほど欲しがるようになりました。

たくさんバズればバズるほど、サイト自体の閲覧数も伸びて、サイトの価値が上がったり、広告収入が入ってきたりします。

最終的にそのサイトの運営元がもうかるわけですから、そりゃ、みんな、バズを欲しがりますよね。

もちろん、それは決して悪いことではなく、むしろ、さまざまなサイトがしのぎを削り合えば、必然的にウェブコンテンツの質は上昇していくことになるので、喜ばしいことです。

しかし、目的が「有益な情報を届ける」「良質なコンテンツを発信する」というところから「とにかくバズらせたい」「なんでもいいからバズった者勝ち」といった本末転倒な方向にシフトしていったらどうなるでしょうか?

そんな社会が行きつく先は「中身が空っぽのウソ情報でもいいからバズらせたい」と人々が願う最悪のデストピアなのではないでしょうか……?

引用元:中身が空っぽのウソ情報を人工的にバズらせたら何が起こるのか?

 

どうですか?

 

めっちゃ予言してないですか?

 

まさに今のインターネットを現状を言い当ててないですか?

 

もっと「彼はこうなることを予言していた!」って言われるべきだと思いませんか?

 

「大炎上! セブ山は未来人だった!?」という釣りタイトルのニュース動画をYouTube業者に作られてもおかしくないレベル。

 

「お金がなくて凍える母娘…その時、ホームレスのセブ山が放った一言に号泣」いう釣りタイトルの広告がFacebookのタイムラインに流れてもおかしくないレベル。

 

 

とにかく、何が言いたいのかといいますと「気付けばいつしか僕たちはそんなディストピアに立っていましたね」というわけです。

 

今はすでにWELQは閉鎖され、似たようなことをおこなっていたWebサイトは軒並み更新を停止しています。

 

しかし、「バズったら何でもいい」という考え方を見直さない限り、第2、第3の悪質サイトはまた現われるでしょう。

 

…と僕がいくら警鐘を鳴らしたところで、どうせ無駄なんですけどね。だって、記事をパクったり、テキトーな記事を書いている方がラクだから。

 

まだまだインターネットの世界は、ディストピアになっていくでしょう。

 

というわけで「彼はこうなることを予言していた」と言われたい、という記事でした。おしまい。

 

インターネット文化人類学

インターネット文化人類学

 

 そんなわけで、あの手この手でインターネットのカスな部分を炙り出す「インターネット文化人類学」は2月9日(木)発売です。

 

ぜひ読んでいただいて、10年後20年後に「彼はこうなることを予言していた」と言ってください。